実は“産前ケア”のほうが大切です
「産後の骨盤矯正ってやった方がいいですか?」
多くの方が気になるテーマだと思いますが、整体の視点からお伝えすると、産後よりも産前のケアこそが大切だと考えています。
なぜなら、出産で体が壊れるから治すのではなく、最初から壊れにくい体を作っておくほうが、回復も早く、トラブルも最小限で済むからです。
◾️ 歪みは身体がバランスを取るための「適応」
まず前提として、よく「体の歪み=悪いもの」と捉えられがちですが、実はそうとも言い切れません。
たとえば、じっと同じ姿勢で10分間立ち続けてみてください。膝や腰が痛くなってくるはずです。それほど、人間の体は同じ場所にずっと体重がかかることに耐えられません。
だからこそ、体は自らバランスを取るために、あえて姿勢を変えたり歪ませたりして負荷を分散させます。
「歪む」というのは、身体が守るための知恵でもあるのです。
しかし、出産に関わる“骨盤の歪み”は、少し事情が違います。
◾️ 産後の骨盤はなぜ歪む? ― ホルモンと負荷の影響
出産時、赤ちゃんが通れるように骨盤を支える靭帯は一時的に緩みます。これは「リラキシン」というホルモンによるもので、臨月の骨盤は通常よりも大きく動きやすくなっています。
出産が終わると、このホルモンの分泌は徐々に減り、骨盤は自然と元の位置に戻っていくはずです。
しかし問題は、「もともと歪んでいた場合」や「緩んだ状態で無理な姿勢・育児負荷が加わった場合」。
そのまま戻ると、不自然な位置で固まってしまい、不調の原因になりやすいのです。
よくあるのが以下のような症状です。
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腰痛・恥骨の痛み
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尿漏れや骨盤底筋のゆるみ
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下半身太り
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姿勢の崩れや抱っこによる肩こり
これらをケアするために「産後矯正」が注目されているわけですが、実はもっと前の段階から整えておくことのほうが根本的な解決になります。
◾️ 本当におすすめなのは「産前矯正」や「妊娠前の体づくり」
妊娠中の体は、赤ちゃんの成長に合わせて変化していきます。
この変化に“追いつけていない体”だと、つわりや高血圧、むくみ、腎臓トラブルなどの不調が起こりやすくなります。
しかし、妊娠前や妊娠初期から整体などで体のバランスを整えておくと、
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骨盤の開閉がスムーズになる
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内臓の圧迫や循環不全を防ぎやすくなる
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出産時の負担が軽減される
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産後の回復も早くなる
など、トラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。
また、出産がスムーズに進むか(安産になるか)は、赤ちゃんの向きや体のサイズだけでなく、
お母さん自身の体調・骨盤の柔軟性・血流・代謝などの「基礎力」によるところも大きいです。
だからこそ、「産後に慌てて整える」のではなく、“妊娠したいと思った時から”準備しておくのが理想です。
◾️ 骨盤矯正のポイントは「原因を見ること」
よく「骨盤矯正」という言葉が使われますが、私たちの考えでは、骨盤そのものを整えること以上に、「なぜ歪んだのか?」という原因を探ることが重要だと考えています。
多くの場合、骨盤が歪む原因は、
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足の使い方(歩き方・立ち方)
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内臓の位置や疲労
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筋肉の硬さや柔軟性のバランス
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日常生活での負担
といった、全身のバランスに関係しています。
つまり、骨盤だけをグイッと整えても、原因がそのままだとすぐにまた戻ってしまうのです。
整体で全体のバランスを整え、結果として骨盤が自然に整う状態になれば、わざわざ「骨盤矯正」という施術をしなくてもいい。
これが、当院の考え方です。
◾️ まとめ:出産準備は“産前”からが鍵!
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歪みは身体を守るための適応反応
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出産時はホルモンの影響で骨盤が緩む
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緩んだ状態での負荷が歪みの原因に
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だからこそ、出産前から整えておくことが大切
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骨盤矯正より、体全体のバランス調整がポイント
産後に不調が出てから焦るよりも、妊娠前~妊娠中から身体を整えておくほうが、ママにとっても赤ちゃんにとっても安心です。
出産を控えている方、これから妊娠を希望している方は、ぜひお気軽にご相談ください。