症状を悪化させないための正しい対処法とは?
「突然、腰に激痛が走った…!」
それは典型的な**ぎっくり腰(急性腰痛症)**かもしれません。
実際に来院される患者さんの中でも「動けなくなってしまった」「朝起きた瞬間に痛くて立てなかった」という声をよく聞きます。
ぎっくり腰は、いわば「腰の捻挫」のようなもの。
筋肉や靭帯、関節の周囲に炎症や出血が起こっている状態です。
ここでは、ぎっくり腰になってしまったときに自宅でできる応急処置や過ごし方について詳しく解説していきます。
■ 「楽な姿勢」は人それぞれ。呼吸がしやすい姿勢を探すのがカギ
安静といっても、ただ横になるだけでは不十分です。
重要なのは、「腰に負担がかからず、呼吸が深くできる体勢」をとること。
例えば…
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仰向けで寝るなら、膝の下にクッションを入れる
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うつ伏せが楽なら、お腹の下にタオルやクッションを入れる
体型や痛みの位置によって楽な姿勢は変わるので、「痛みが少ない」「呼吸がしやすい」姿勢を基準に選びましょう。
■ 呼吸が浅いと回復が遅くなる?体の自然回復力を高めるポイント
ぎっくり腰になると、痛みによる緊張やストレスで呼吸が浅くなることがよくあります。
呼吸が浅い=酸素が取り込みにくい状態では、代謝の低下につながり、結果として回復力も低下します。
ここでチェックしたいのが「呼吸の質」。
▽ 呼吸チェックポイント
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吸った時に肋骨がしっかり広がるか?
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吐いた時にしっかり縮むか?
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吸う・吐くの長さはどうか?
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途中で詰まるような感覚はないか?
呼吸が深くなれば、自律神経も整い、体のリラックスモードが優位になります。
この状態こそが自然治癒力が働きやすい体の土台になるのです。
■ ぎっくり腰は「温める?冷やす?」どっちが正解?
これは多くの方が気になる質問ですが、結論から言えば**「患部は温めない」**が基本になります。
【やってはいけないこと】
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患部を直接温める(炎症がひどくなる場合があります)
【おすすめの方法】
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手足など末端を温める
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足湯や手浴で体全体の血流を促す
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お風呂はぬるめにして半身浴程度にとどめる
人間の体は温めることで血流が良くなり、代謝が上がりやすい構造になっています。
ただし、炎症が強い患部に熱を加えると、痛みが悪化する可能性があるため注意が必要です。
もし患部が明らかに熱を持っている場合には、一時的に氷のうで10〜15分程度冷やすことも選択肢になりますが、冷やしすぎには注意しましょう。
■ まとめ:ぎっくり腰になったら“動かず、焦らず、正しくケア”
ぎっくり腰は、初動の対応がその後の回復を左右します。
間違った処置をしてしまうと、長引くだけでなく、再発リスクも高まります。
▶ 応急処置のポイントまとめ
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絶対に無理をしない(まずは安静)
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呼吸がしやすく、痛みが少ない体勢で休む
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手足を温めて体全体の血流を促す
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患部の加温は避け、必要に応じて冷却
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深い呼吸を意識して自然回復力を高める
■ 最後に:自己判断せず、専門家に相談を
応急処置で一時的に痛みが和らいでも、**根本的な原因(骨盤の歪み・筋肉のアンバランスなど)**が残っていれば再発のリスクは高くなります。
当院では、ぎっくり腰後の再発予防や体のバランス改善に向けた施術も行っております。
「またぎっくり腰になるのが怖い…」という方は、ぜひ一度ご相談ください