体を壊していく活性酸素とは?〜酸化・糖化・炎症の関係〜
人間の体は、酸素を使ってエネルギー(ATP)を作り出しています。
私たちが生きていくうえで、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、食べ物を消化したりと、何をしてもエネルギーが必要です。
その「エネルギーを作る過程」で必ず発生してしまうのが 活性酸素 です。
◆活性酸素が増える原因
運動・喫煙・ストレス・飲酒・食べすぎなど、体に負荷がかかる行動をすると、体はそれに反応するためにATPをたくさん生産します。
その際に副産物として活性酸素が生まれます。
つまり「動けば動くほど」「使えば使うほど」活性酸素は増えるのです。
たとえば野球のピッチャーが肩や肘を痛めやすいのも、単なる筋肉の使いすぎではなく、使っている部分で活性酸素が多く発生して細胞が酸化している という側面もあります。
また、糖を多く摂取したときにも膵臓でインスリンを大量に作る必要があり、その過程でも多くの活性酸素が生まれます。
この酸化ストレスによって膵臓の働きが落ち、血糖のコントロールが難しくなっていく。
つまり「甘いものが直接悪い」のではなく、「処理のために体が酷使され、酸化ダメージが蓄積する」ことが問題なのです。
◆酸化・糖化・炎症はすべてつながっている
活性酸素による酸化は、体の細胞をサビつかせるようにダメージを与えます。
同時に、糖質の摂りすぎによって体内で「焦げ付き(糖化)」が起こり、それが炎症へとつながります。
つまり、酸化 → 糖化 → 炎症 という流れが、あらゆる体の不調や病気の根本にあると考えられています。
この3つの中でも最も起点になるのが「酸化」。
活性酸素が発生しなければ、糖化や炎症もここまで大きくは進まないと言われています。
だからこそ、体を酸化から守ることが非常に重要です。
◆「やりすぎ」が体を壊す
健康のために運動を頑張ることは大切ですが、実はやりすぎは逆効果になることもあります。
筋トレを週130分以上行っている人は死亡リスクが高まるという研究報告があります。
これは筋トレによってエネルギー消費量が増え、活性酸素が過剰に発生し、体の調整機能を超えてしまうからです。
つまり、「動くこと」も「休むこと」もバランスが大切。
ATPを作らなければ生きていけませんが、作りすぎると酸化ダメージが進みます。
どこまで体を使い、どこで休ませるかが、体の維持において大きなポイントです。
◆活性酸素を増やす代表的な要因
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激しい運動(無酸素運動・過剰な筋トレなど)
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タバコ・アルコール
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加工食品・化学物質
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紫外線・ストレス
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睡眠不足
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過食・血糖値の乱高下
こうした生活習慣は体に大きな負荷をかけ、酸化ストレスを高めてしまいます。
◆活性酸素対策のカギは「抗酸化」
活性酸素を完全にゼロにすることはできません。
なぜなら、生きている限りエネルギーを作り続けているからです。
しかし、増えすぎた活性酸素を中和してくれるものがあります。
それが 抗酸化物質 です。
ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなども抗酸化物質として知られていますが、その中でも特に注目されているのが 水素。
水素は体内で悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカルなど)と反応し、水に変えて排出してくれるという性質があります。
しかも副作用が少なく、体への負担も少ないため、最も自然でバランスの良い抗酸化サポート として期待されています。
◆生きている限りエネルギーは必要
呼吸をしている時点で、私たちはエネルギーを作り続けています。
そのため活性酸素も必ず発生します。
呼吸が止まるというのは「エネルギーを生産する必要がなくなったとき」。
つまり生きる=ATPを作る=活性酸素が生まれる、という自然な流れです。
重要なのは「エネルギーを生み出しながら、いかに酸化ダメージを抑えるか」。
そのために日々の生活習慣を整え、食事や呼吸、休息のバランスを見直すことが大切です。
◆まとめ
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活性酸素はATP(エネルギー)を作る時に必ず発生する
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酸化 → 糖化 → 炎症が体の不調の根源
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運動・食べすぎ・ストレス・喫煙などで活性酸素は増える
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水素などの抗酸化物質で酸化ストレスを和らげることができる
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「頑張りすぎず、休ませる」ことも健康の一部